金融機関が見ているスコアリングと債務者区分

事業者が金融機関から借入れをする時に、決算書の提出を求めらえます。

決算書の数字をスコアリングシステムに入力して、お客様の事業を評価しております。

ではスコアリングシステムとはどんなものなのか?

金融機関は金融庁に登録している信用格付業者のシステムを利用しております。

信用格付業者は全部で7社あります。

 

・株式会社日本格付研究所

・ムーディーズ・ジャパン株式会社

・ムーディーズSFジャパン株式会社

・S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社

・株式会社格付投資情報センター

・フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社

・S&PグローバルSFジャパン株式会社

 

株式会社日本格付研究所では自社の信用格付けを知りたい方は、取扱機関に相談すると1回に40万円(税別)掛かりますが財務評価に関することを知ることが出来ます。

 

スコアリングシステムとは事業の安全性、収益性、循環性、成長性、創造性、返済能力などを数値化して定量分析しております。この中でも資金調達に密接に関わるのが、収益性と返済能力だと個人的には考えております。理由は収益性とは、売上高経常利益率、総資本経常利益率、税引前当期純利益を分析して評価します。簡単に言うとこれらの数字は赤字の場合、格付けの数字が悪くなります。返済能力では、債務償還年数、インタレスト・カバレッジ・レシオ、償却前営業利益率を分析しており、営業利益を使用した数式になるため赤字の場合、こちらも格付けの数字が悪くなります。

 

そしてスコアリングシステムで算出した結果などで、債務者区分に分別します。

債務者区分とは、正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先の5つに分類します。

各金融機関で判断は異なりますが、一般的に金融機関の有利子負債を条件変更したり、債務超過に陥ったりすると、要注意先や破綻懸念先に分類されて新規融資や追加融資を受けられなくなります。

 

では要注意先や破綻懸念先に債務者区分されると金融機関から融資を受けることが出来ないのか?

各金融機関の判断になりますが、一般的には既に借入れしている金融機関であれば経営改善計画書などを作成することで融資を受けることは出来ます。ただ取引実績がない金融機関ですと破綻懸念先の場合、リスクを負って融資はしないと思います。

 

また起業や開業などの創業融資では、事業の実績がないことから、事業計画書や代表者の経験、自己資金などで審査を行なっており、融資が通りやすいと言われる由縁だと思います。

 

これらの情報を整理しますと、創業時には少額でも良いので金融機関から借入れをすることをおススメします。すべて自己資金ではじめて、数年して経営不振な時に金融機関へ相談しても断られる可能性が高く、取引きしていることで事業が不振な時にチカラになってくれると思います。

 

大切なのは財務戦略を立てて、早めに対応することです。