資金繰り改善 リファイナンスのススメ

経営状況が悪化している、資金繰りが大変な場合には、リファイナンスをしてみては如何でしょうか?

リファイナンスとは、いまの債務を新たな借入して、借り換え、借り直しをすることです。リファイナンスをすることで金利、返済期間などが優遇されて月額返済額が減少して資金繰りが改善されます。またリファイナンスの時に事業資金の追加融資などを受けることも可能です。これと似た方法でリスケジュールがあります。リスケジュールは、いまの借金に対して利息払いの措置や返済期間の延長などを行なうため、借金を完済しないと次の資金調達が難しくなるデメリットがあります。

リファイナンスとリスケジュールの比較

     金利見直し    返済期間延長     追加融資
リファイナンス      〇      〇      〇
リスケジュール      ✕      〇      ✕

リファイナンスは金利見直しや引下げ、返済期間の延長も行ない、追加融資やリファイナンス時の真水融資なども可能です。リスケジュールは返済期間の延長のみになってしまい、リスケジュールを実施してしまうと追加融資などを受けることが難しくなります。その為、先々の経営状況にも悪影響を及ぼす可能性が高まります。

リファイナンスの注意点

リファイナンスをする際には一定のルールがありますので、金融機関に申込みをする際に気を付けましょう!

融資元の債権は取扱いの金融機関でしかリファイナンスが行えません。

※保証協会付き融資の場合、融資元とは異なる金融機関においてリファイナンスをすることも可能です。ただし融資元の金融機関の承認が必要になります。

例 株式会社A工業では、新型コロナウイルスの影響により材料費の高騰、請負工事の延期などにより急速に業績が悪化し始める。月次のキャッシュフローが毎月20万くらい赤字に陥っていた。

借入状況
金融機関名借入額金利返済期間月額元金返済分
日本政策金融公庫2,000万円2%7年¥241,000
地方銀行(保証協会)4,000万円1.5%7年¥482,000
信用金庫(保証協会)1,000万円2.1%5年¥170,000
合計額7,000万円¥893,000

リファイナンス実施すると

借入状況
金融機関名借入額金利返済期間月額元金返済分
日本政策金融公庫2,000万円0.4%15年¥112,000
地方銀行(保証協会)4,000万円1.1%10年¥337,000
信用金庫(保証協会)1,000万円1.1%10年¥85,000
合計額7,000万円¥534,000

リファイナンス 前 月額元金返済額¥893,000 後 月額元金返済額¥534,000 となり

その差額は¥359,000にもなります。

リファイナンス実施にて月次のキャッシュフローは15万ほど黒字化となりました。また事業の再構築や改善のために必要な運転資金の追加融資などを受けることも出来ます。

リファイナンスが可能な融資制度を活用しよう!

  • 日本政策金融公庫にて利用がある場合、新型コロナウイルス感染症特別貸付などが既存債務の借換資金として利用が認められております。
  • 保証協会付き融資を利用している場合、各自治体(県市町村の制度融資)において新型コロナウイルスの影響を受けた事業者は、既存債務の借換資金として利用が認められております。

リファイナンスの必要性を明確に伝えましょう!

  • 経営状況の悪化、資金繰りの悪化などを試算表や資金繰り表を作成して提出しましょう!
  • リファイナンス実施後の事業計画書を作成して、今後の事業方針や営業計画などを伝えましょう!